「沖縄では旧正月を祝う」と聞いて旅行を計画される方がいますが、 実態はもう少し込み入っています。

沖縄本島の多くは新正月

生活の暦が新暦に移るにつれ、沖縄本島の多くの地域では 新暦の正月を祝う家が主流になりました。

そのため旧正月の日でも、那覇の街はふだんどおりです。 店は開いていますし、交通も通常運行です。 旧盆のような「街が止まる」影響はありません。

旅行の予定を組み替える必要はない、と考えてよいでしょう。

旧正月が色濃く残る場所

一方で、旧正月を今も本来の正月として祝う地域があります。 代表が糸満などの漁師町です。

漁は潮の満ち引きに左右され、潮は月の運行で決まります。 月を基準にした旧暦が仕事の暦そのものだったため、 漁師町では旧暦の行事が根強く残りました。

糸満漁港の大漁旗

旧正月の朝、糸満漁港には大漁旗を掲げた漁船が並びます。 一年の航海安全と豊漁を願うもので、 色とりどりの旗が風にはためく光景は、この日だけのものです。

見物に訪れる人もいます。港の作業の邪魔にならない場所から眺めてください。

海の神をまつる白銀堂(はくぎんどう)に参拝する人の姿も見られます。

このほか、久高島や本島北部の一部の集落など、旧正月に行事を行う地域があります。

中国の春節とはずれる年があります

ここは、このサイトが最も注意を払っている点です。

旧正月は「旧暦1月1日」、つまり新月(朔)の日です。 ところが新月の瞬間をどの標準時で見るかで、日付が1日変わることがあります。

日本の旧暦は日本標準時、中国の旧暦(農暦)は中国標準時が基準です。 たとえば——

日本の旧正月中国の春節
2027年2月7日2月6日

「春節はいつ」で検索して出てきた日付が、沖縄の旧正月と食い違うことがあるのは、これが理由です。

当サイトの日付は日本標準時を基準に計算し、 国立天文台が発表する暦要項と突合して検証しています (検証方法について)。

旧正月は「正月の始まり」にすぎません

沖縄の旧暦の正月行事は、旧正月だけで終わりません。

  1. 旧正月(旧暦1月1日)— 生きている人の正月
  2. 十六日祭(旧暦1月16日)— あの世の正月。 宮古・八重山では帰省する人が多く、この時期の離島便は混みます
  3. 二十日正月(旧暦1月20日)— 締めくくり

旅行への影響という点では、十六日祭のほうが要注意です。 宮古・石垣方面の航空便やフェリーを使う予定なら、早めの予約をおすすめします。

この時期の沖縄

旧正月は新暦の1月下旬から2月中旬にあたります。

  • 気温は15〜20度ほど。泳ぐには寒く、上着が必要です
  • カンヒザクラの季節。本部町の八重岳などで1月下旬から咲き始めます
  • 観光の閑散期にあたり、宿は取りやすい時期です

その年の正確な日付は旧正月のページ、 年間の行事は年間カレンダーでご確認いただけます。