人口千人余の島に、国指定の芸能が伝わる
多良間島は宮古島と石垣島のあいだに浮かぶ、周囲およそ20キロの平坦な島です。 その島で旧暦8月8日から3日間にわたって行われるのが八月踊り。 国指定重要無形民俗文化財(「多良間の豊年祭」)です。
棒踊や獅子舞、狂言といった民俗芸能から、組踊や琉球舞踊まで、 王国の宮廷芸能を含む幅広い演目が演じられます。 これだけの芸能が小さな島に伝わり、住民の手で受け継がれてきたこと自体が、 この行事の価値とされています。
- 初日 — 仲筋(なかすじ)集落
- 2日目 — 塩川(しおかわ)集落
- 最終日 — 両集落
重税を納め終えた報告として
起源は1600年代にさかのぼります。
当時の宮古・八重山には、15歳から50歳の農民に人頭税と呼ばれる重い税が課せられていました。 その納入を終えた翌8月に、仲筋の土原(んたばる)ウガン、 塩川のピィトゥマタウガンへ完納を報告し、翌年の豊作を祈ったのが始まりと伝えられています。
喜びの踊りであると同時に、島が背負ってきたものの記憶でもある行事です。
旧暦8月8日という日付
八月踊りは旧暦8月8日のまま行われています。 新暦では9月から10月にかけて動き、曜日も毎年変わります。
同じ旧暦8月でも、十五夜(旧暦8月15日)の一週間前にあたります。 沖縄の秋は、旧暦8月の行事が続く季節です。
見に行く方へ
多良間島へは宮古島から航空機(約20分)またはフェリー(約2時間)でのアクセスです。 便数が限られ、島内の宿も多くありません。 旧暦開催で日程が毎年動くため、日程が判明したら早めに交通と宿を押さえてください。
奉納の芸能であり、御嶽での祈りを伴う行事です。 演目は見せてもらえますが、御嶽は集落の聖域です。 地域の方の案内に従ってご覧ください。