畦(あぶし)を払う
アブシは田や畑の畦(あぜ)、バレーは払うこと。 アブシバレーは、旧暦4月14〜15日ごろに行われてきた虫払いの行事です。
作物に害虫が増えるこの時期、村人が総出で畦道の草を刈り、 バッタやネズミなどを捕らえて海や川に流しました。
実際的な害虫駆除であると同時に、 「害なく、無事に豊作の年となりますように」と祈る豊作祈願でもありました。 行事のあとには、豚の三枚肉の煮付けを混ぜたクファジューシーが振る舞われたといいます。
農作業の暦としての旧暦
旧暦4月中旬は、新暦ではおおむね5月から6月上旬。 沖縄では梅雨に入るころで、作物も虫も一気に勢いづく時期です。
ウマチーが稲の実りを祈る儀礼だとすれば、 アブシバレーは作物を守るための実務に近い行事でした。 旧暦の日付が、そのまま農作業の段取りとして機能していたことがよく分かります。
行事の日付が旧暦で決まっているのは、単なる伝統ではありません。 月の満ち欠けと季節の巡りに合わせて暮らしを組み立てた結果です。
今のかたち
農業に携わる家が減り、地域を挙げてのアブシバレーを行うところは少なくなりました。 一方で、集落の清掃や親睦の行事として形を変えて続けている地域もあります。
日取りも旧暦4月14日・15日のほか、地域によって幅があります。 このサイトでは旧暦4月15日として計算しています。
旅行で沖縄に来る方へ
地域の行事のため、旅行への影響はありません。 この時期の沖縄は梅雨にあたります。